そうして迎えた放課後。

週番の日誌を提出して、視聴覚室へと足を進めた。

時計は17時になろうとしていた。


遼、まだいるかな・・・。

ちょっと不安を抱きつつ、扉を開けた。



「すみれ」


優しい声がした。遼だ。

薄暗い視聴覚室の一番後ろの席に座っていた。



「ごめんね、遅くなっちゃって」


「全然いいよ」


なんだ、普段と変わらない遼だ。


あたしは安心感を覚えた。



「すみれって誰かとつきあったことある?」


「え・・・ないよ」