「ありがとう」 このままじゃ、遼にも失礼。 あたしは、遊園地に行くことに決めた。 「あたし、すみれには幸せになってほしいんだ。だから、三浦くんのことちゃんと見てあげて」 その真っ直ぐな瞳の裏には、あたしに対する疑いが混じっている。 あたしが、他の誰かと付き合えば済む話。もう迷わない。 「あたし、頑張るね」 チャイムが鳴ったけど、あたしたちはしばらく非常階段で時間を過ごした。