たわいない話をしていたら、帰りの電車もあっという間だった。 心なしか遼といることが楽しいとさえ思う。 「じゃあ、あたしこっちだから」 駅を挟んで逆方向に住むあたしたち。 必然的にここでお別れ。 「送らせてよ」 「いいよ!こっから近いから」 「そっか!んじゃ、気をつけて」 「うん、ありがとう。またね」 帰路を歩き始めたそのとき、腕を後ろに引かれた。