「麻姫・・・」
「もう、あたし泰河いないと・・・ダメなの」
そう言って麻姫は泣き崩れた。
あたしは、こんなに麻姫を傷つけていたんだね。
たしかに、麻姫はあたしに司馬の気持ちを教えてくれなかったかもしれない。
でも、そうじゃない。
好きゆえに、嘘もつく。
好きゆえに、傷つく。
あたしにできることは、もう一つしかない。
「司馬、麻姫のとこ行ってあげて」
「は?」
「ほらっあんたの彼女は麻姫でしょ」
あたしは司馬の背中を押した。
もういいんだ。少しでも夢を見ることができたから。
あたしもう後悔しない。
これは、嘘じゃない。
あたしのエール。