葵の歩く速さに追いついて、急いで校舎内に入った。


さっそく昇降口からたくさんの人数で、押し出されそうだ。


掲示板の前からは、『やったー!』という声が所々から聞こえる。


「ねぇねぇ葵。私ら、同じクラスかなぁ?」


手前で2人の女子が、別々のクラスだったことを悲しんでいるのを見てしまい、ちょっと不安になってしまった。


「大丈夫やって。祈るしかないやろ?」


「うん…」



部活仲間ぐらいしか、仲良しの友達がいなかった自分。

葵と離れちゃったらこの先、友達作りに心配…。

神様ぁ…お願いだから、葵とだけは一緒のクラスにしてください。




「あったぁぁあ!!」


突然隣で叫ぶ葵に、ビックリした。


「えっ?!どうしたの、葵」


「あったんやって!4組に、ユキとあたしの名前が!見てみ?!」



え!本当に?!

マヂで?!



周りにいる生徒の間を通りながら、掲示板に張り出されているクラス表を見ると、確かに3組の欄に、『高田雪奈』と『大沢葵』の名前があった。


「うっそ、マヂ?やったぁ!葵やったよぉ!」


「ふはっ、やったね!これでユキも生きてけるね!」


「一言よけいじゃい」


そんな事を言いながらも、葵に思いっきり抱きつく私。