「せんせっ…」

倒れこんだ私の上に先生が覆い被さってくる。

「吸血鬼がいるなんて信じられない?」

私の耳元で先生が低く囁く。

「ほら見てごらん…」

先生そう呟いて自分の口元を指差す。


「………!」

先生の口からは、人間には必要ないほど
鋭く尖った歯が顔を出していた。


「どう?理解した?なんなら君の血を吸ってあげてもいいんだけどね…」

そう言って先生が私の首筋に
息を吹きかける。

「………っ! わっわかりました!」

やっとの思いでそれだけ言うと、
先生満足そうに微笑んで
私から離れた。