「なに……………」


「お礼は?」


スッと圭瑚くんの顔が近づいてきた。


顔はどう見ても人間なのに、
圭瑚くんの口元から少しはみ出した
鋭い歯が見えて体が強張る。



そんな私を見て圭瑚くんはクスッと
笑った。




「お前、女みたいな反応するなー。体細くて小さいし、色白だし、女じゃねぇの?」


そう言うと圭瑚くんは私の顎をクイッと
持ち上げた。



「……んなわけねぇだろ、」


必死に冷静を装いながら、
顎にかけられた圭瑚くんの手を
パッとはらう。



「冗談」


そう言って圭瑚くんはニカッと笑った。