校長先生に貰った短髪のウィックと
制服を身につけて教室に向かう。



「二組…二組…どこだろ…」


校長先生に教室の位置は説明された
ものの、やっぱり口頭じゃちゃんと
理解できていなかった。



キョロキョロしながら歩いていると、



「困ってる────?」

後ろから男の人の声がした。

振り返ると、そこには茶髪の髪の毛を
ツンツン立てたチャラい感じの
男の人が立っていた。


「あ…えっと、一年二組の教室って
どこでしょうか」

喋り方が女っぽくならないように
注意しながら喋る。


「二組…?あんまり見ない顔だな…まぁいいや、俺も二組行くとこだし着いて来いよ」


「ありがとうございます…!」


「タメでいいよ。同じクラスなんだし」



2人で並んで歩きながら話をした。
彼の名前が森 圭瑚(もりけいご)ということ、この高校は中高一貫だから
高校から入学してくる人はほとんど
いないということを聞いた。



「はい、ここが我らが一年二組!」

「ありがと、助かった」

そう言って教室に入ろうとする私の腕を
圭瑚くんが掴んだ。