「真面目に答えて良い？」
「何に？」
「さっき水野が何で声掛けんのかって聞いたじゃん？」


僕は無言で頷いた。


「実は俺にもよく分かんない。でも気付いたら目が合うから。」



それは僕が野中を見ているから。



「見えない何かで繋がってんのかな？」
「……真面目に答えるんじゃなかったの？」
「真面目じゃん！」
「どこが…」



見えない何か……。

それが見えてしまったら、僕は野中と友達としてすらいられなくなる。


見据えた結果を分かってて、気持ちをさらけ出すほど馬鹿じゃない。