2時を少しだけ過ぎた頃、サングラスをかけた滝沢翔哉が店内に入って来たのが見えた。



「遅れてごめん、それ、飲み終わったら店でよう…俺んち行っていいかな、近いから。話し、聞かれてもお互いイヤだと思うんだ」



座りながらそう話してきた滝沢に、確かにここでプライベートな内容は相応しくないと思い頷きながらもいきなり、人気俳優の男性の自宅に私が行くのは、かえって迷惑でないのか不安なままカフェオレを飲み終えた。



店内は照明も落ち着いた色合いでサングラスをしていた滝沢は誰にも騒がれることなく外にでると、彩乃が着いてきているのを確認すると少し前を歩き出した。



ここは自宅のある街だから、俳優・滝沢翔哉を知っている人は多いだろう、そんな中、女性と肩を並べて歩いていたらたちまち噂からスクープとなるかもしれない、彩乃は妙に納得しながら見失わないよう着いていった。