優しく微笑みながらそっと背中をさすってくれる母に今だけ、と甘えながら、涙がおさまるまで静かに座ってた。



約束の時間が近付き、泣いてしまった顔を洗ってから化粧し直して、昼寝しだした紗彩の頬にキスをしてから「お母さん、お父さん、紗彩をお願いします、4時くらいまでには帰るようにしますから。」とお願いした。



「いいわよ、納得出来るように話してきなさいよ、時間はきにしないで。気をつけて行ってらっしゃい。」



そう笑顔で送り出してくれた。

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栄町駅前にあるカフェの中、彩乃は緊張した面持ちで滝沢の来るのを待っていた。

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何か変化を待ち望むような暖かな春の陽のあたる窓際で…。