あの時は・・・本当の友情なんて考えた事も無かった・・・。



「ねぇ・・・。ひろきってさ。どういうタイプが好きなのかな?」

学校の食堂にいた、琴音が言った。

「え?」

皐月がパンをほうばりながら聞き返した。

「だからぁ~。ひろきって、どういうタイプが好きなのかなぁ?って思って・・・。」

琴音が、オレンジジュースを飲みながら言う。

桜井 琴音。 高校3年生。家が、世界に名をとどろかせるほどの大金持ち。

「へ~。琴音ってひろきの事、好きなの?!」

ニヤニヤしながら、皐月は大声で言う。

天宮 皐月。 高校3年生。琴音と幼なじみで大親友。

「ぅわぁ!」

ビックリしたのか、叫ぶ琴音。

「大声で言わないでよぅ・・・。」

「ひろきのどこが好きなのさ?」

パンを飲み込み、冷静に質問する皐月。