今、レイレは‘学校‘と言うものに居る。

なぜこんな所に居るのかと言えば、足が勝手に動いたからだといえる。

あの少年が去っていく時、一緒に行ってみようと思った。

そして、暖かいようなくすぐったいような気分は一体なんだったのか知りたかった。


「おはよう」

少年は他の人間に挨拶を交わしながら椅子に座った。

少年は一番窓側の前から二番目の席。

窓の外から見るのには持って来いの場所だ。


「お前等ぁ、席に着けー」

少年の様な人間よりもう少し大きめの人間が入ってきた。

そいつは‘先生‘と呼ばれた。

「(そーいえば、天界にも先生はあったな。んじゃ、他のは‘生徒‘ってやつか)」

自己解決。



「出席取るぞ!藍山。」

「はい。」

「伊瀬。」

「はーい。」

「磯部。」

「はい!」

次々と呼ばれていく生徒達。

少年は行儀良く椅子に座り呼ばれるのを待っていた。


「倉田。」

「はい。」

少年が返事をする。


「くら、た・・・倉田か・・。」


何なのだろうかこの気持ちは。

羽が無くても空を飛べる気がした。

たかが人間の名前を知っただけで今なら何でもできる気がした。





レイレは気付かない。