フワリ・・・


地に少女が舞い降りた。

優しい青い瞳。

金の長い髪は神風に吹かれなびく。

地に着くと背にあった羽は跡形も無く消えた。

行き交う町の人々はその少女に気付く事無く忙しそうに歩いている。



「あーあ。」

少女は背伸びをし、気持ち良さそうにあくびをした。

「人間界ってのもつまらない所だなぁ・・。」

そう言い足を進める。

「神様も酷いよね。こーんな所に仕事に出さなくてもいいのにさ。もっと緑のある所が良かった!」

この少女はレイレ。天使というやつである。


つい先程の事である――――-‐






『天使レイレよ。そなたは人間界へ行き、人間に‘幸せ‘を与える仕事を任す。』

「!・・あ、あの・・・おそれ多くも・・・・わたしのような者がそのような仕事は・・・。」

『お主の力は分かっている。だからこそお主に任すのだ。やってくれるな?』

「・・・・・・・・・はい。」






そして現在に至る。


人間に幸せを与える。

これはかなり難しいとどの天使も言う。

どう難しいのかは分からないがやるしかない。

この仕事をして帰ってこなかった天使もかなりいるらしい。

「私にそんな仕事できるかぁああぁあ!!」

叫んでみても誰かが助けてくれることも無く空しく終わった。