───私 ハ 誰...






ハッと飛び起きた、白い部屋だ。
一体此処は何処だろう。

真っ白で何もない。私は白い服を着て、
頭には少し左を向いたネジが付いている。

触ってみると、ひんやりと冷たい。


...そんなことをしている場合ではない。


一体此処は...


そんなことをただ漠然と考えていても答えは出なかった。



考え事をし過ぎて気付かなかったが、
先程から廊下で足音がする。

扉を開けてようと立ち上がった。
貧血気味なのでふらふらする。

寄りかかり気味にドアノブを回す。

ガチャリ
ギギィ...

ドアが開いた。


一歩廊下に出て、見渡してみた。

白い、眩しいほどに白い。


綺麗な廊下に綺麗な部屋がある。

綺麗と言っても、ただ真っ白いだけである。
部屋のドアには一辺約70cmほどの正方形の硝子がある。

奥の方の硝子窓は何故か真っ赤だ。

本当に此処は何処なのだろうか、ますます分からない。

そうだ、人に聞いてみよう。





だが、先程まで足音がしていたのに今では全く聞こえない。
何だったのだろうか。


とりあえず人を探す事にする。

早くも隣の部屋に人がいた。

双子だ。
金髪に白い大きなリボン、肩までで外側に跳ねている髪、女の子だ。
隣には、金髪で癖っ毛なのかアホ毛が付いていて、
小さくポニーテールをしている男の子だ。

ノックしてみた。

コンコンッ

男の子が立ち上がりこっちに来た。

ガチャリ


「...どちら様ですか」
男の子は震え声で聞いてきた。


私は「ああ、すみません、隣の部屋の者なのですが、
此処が何処だか分かりますか?」と、一番の疑問をぶつけてみた。

すると男の子は振り返り、女の子と目を合わせ、
すぐにこちらを向いた。

「...それを知ってどうするのですか」
男の子は今にも泣きそうだ。

「さぁ...私にも分からないです」
クスッと笑ってみせた。

男の子の緊張もほぐれたのか、微笑んでくれた。

「廊下にいるのもなんでしょう、良かったら入りませんか。」
男の子が部屋に招いてくれたので、遠慮なく入ることに。

「自己紹介遅れました、レンです。そっちのは姉のリン」
「そっちって言うなっ!モノじゃないんだから!」

白いリボンの女の子、リンが口を尖らせて怒っています。

「あなたの名前は?」
リンが聞いてきました。

「私の名前は──です。」
自己紹介を終えると3人でお話をしました。

するとレンが、
「今日は僕達の出番なんだ。」と言いました。
私は「なんの?」と聞きましたが、答えてくれません。

「そろそろお迎えが来る、部屋に戻って。」

二人にそういわれ、私は部屋に戻りました。

暫くすると、廊下に足音が、

コツコツコツコツ...

私の隣の部屋で止まりました。
リンとレンの部屋です。

ガチャリ
ギギィ...

ドアが開く音がしました。
硝子窓から覗くと、リンが連れて行かれるところでした。
腕を後ろにして縄で縛られています。

「あれはなんだ?」すごく疑問に思いました。

コツコツコツコツ...
ペタペタペタペタ...

二人の歩く音が遠ざかりました。



それから少し時間が経った時いきなりけたたましい叫び声と
恐らくチェーンソーの音ガ シ マ   シ  タ 。