セシリアの言葉に思わずゴクリと喉を鳴らしたミスティリーナ。彼女はセシリアが最後に言った一言に興味がわいたようだった。ミスティリーナはセシリアの顔をじっとみながら、確かめるように呟いている。


「望みはなんでも叶えるって?」

「ええ。地位でも名誉でも何でもよ。あなたが望むのなら、一生不自由のない暮らしができるようにもしてあげる」


 セシリアのその言葉に、ミスティリーナの目はキラリと光ったようだった。先ほどまでのどこか投げやりな態度が一変している。


「一生不自由のない生活? 本当に?」

「も、もちろんよ……」


 ミスティリーナの気迫におされたようになっているセシリア。そしてミスティリーナは、これ以上のものはないという極上の笑顔を浮かべていた。


「依頼を引き受けるわ」

「えっ?」