「話せないのならかまわないわ。この話はここで終わり。あたしは受けないし、そのことでギルドから文句を言われる筋合いもない」


 そう言うなり、ミスティリーナはプイッと横を向いている。彼女のそんな態度にセシリアはすっかり慌ててしまっていた。


「待ってよ、わかったわ。実は、聖王女を捜しているのよ」

「聖王女!」


 セシリアの言葉にビックリしたミスティリーナは大声をあげている。そんなことならば、たしかに依頼内容は書けないだろうという表情が浮かんでいる。一方、セシリアは口にしたということで、逆に話しやすくなったのかもしれなかった。


「聖王女とも呼ばれているアルディス様のお姿が急に消えてしまったの。私はお側仕えをしていることもあって、捜すようにと陛下からのご命令を受けたわ。アルディス様をみつけることができれば、あなたの望みはなんでも叶えるわ。だから、力を貸して」