「あんたの依頼っていうのが何なのか、きいてもいい?」

「うん……どういえばいいのかしら……」


 先ほどまでの勢いが嘘のようにセシリアは大人しくなっている。彼女はどう言えばいいのかと考え込んでいるようだった。そんな彼女にミスティリーナは苛々したような声をかけている。


「言えないことなの? じゃあ、それほど重大なことでもないのね。あれほど大騒ぎしたのにね」


 ミスティリーナのその言葉にもセシリアはなかなか返事をすることができない。そんな彼女の様子にミスティリーナは呆れたような表情を浮かべていた。


「あんたが依頼主だっていうのは、これみたらわかる。でも、依頼内容をきくのはあたしの権利だわ。そうでしょう?」

「それはわかっているけど……」


 どこか歯切れの悪いセシリアの様子。それをみている間に、今度はミスティリーナの我慢の限界がきてしまっていた。