「あなたがギルドにさえ行っていれば簡単だったのよ」

「ふーん。で、そのわけは何なのよ」


 お互いに冷ややかさしか感じさせない口調。ざわついた空気が流れている酒場で、二人のいる一角だけがシンとなり、冷たい空気が流れている。そんな中、セシリアは奥の手ともいえる一言を口にしていた。


「それじゃ、ギルドから召喚状が出ているのも知らないのね」


 セシリアのその言葉にミスティリーナは声が出せなくなっていた。ギルドからの召喚状。それはギルドを通じての仕事、もしくは懲戒を意味している。どちらにしても無視することなどできないものである。しかし、自分はそれをみていなかったとミスティリーナは思っていた。