上にのっている重りが消え
ゆっくりだけど私は、目をあけた。

視界がボヤけて
はっきりは見えないけど
モカブラウンの髪に
不良でおじさんを殴り跳ばしていた。

「女を殴るなんざ
いい度胸してるじゃねぇか

おっさん」

「て、めえ、誰だ。」

「大丈夫か?」

「うっ…」

「じゃ、なさそうだな」

私の体を起き上がらせ
頬に手を添える。

その人は、おじさんを睨み
車の音がして
私たちを照らす。

誰かわからないけど
ここから早く離れたくて
私は、その人のシャツを
ギュウッと握った。

それに気付いた男の人が
私をお姫様抱っこをして
車に向かう。


「待て!
その女をどうする!?」

「……俺がもらう」

そうはっきりと一言で済ませた。