あともう少し…唇が触れるまであとほんのわずか…
そんな時に聞こえた花梨ちゃんの声。



どうする？止める？でも…


「本当に嫌なら突き飛ばしてよ…」



唇が触れそうな距離で呟いた。
すると、花梨ちゃんの腕が力無く俺を押して来る。



そんな力じゃ、止まれないよ？



そう言いかけて気付く、花梨ちゃんの体の震え…
小刻みに小さく震える体。



『初めて…なの…だから…こんなの…やだ…』



潤んだ瞳から涙がツーと零れ落ちた。



初めて…



花梨ちゃんはまだ誰ともキスしていない…



「そう…だったら尚更…」



俺のモノって刻みつけなくちゃいけないじゃん。




花梨ちゃんがギューっと強く目を閉じる。




俺は少しだけ顔を上へずらして、花梨ちゃんにキスをした…