『純君、もう大丈夫だから…』



離れようとするその体を、引き止めて抱きしめた。




胸の中で固まる花梨ちゃんの体。




『お、襲わないって言ってっ…』



ほんのり赤い頬に潤んだ瞳。




確かにそう言ったよ?
でもさ…そんな顔見せられたら、無理だよ。




両手で花梨ちゃんの顔を包み、顔を傾けて近付けていく。




『目…閉じて?』




更に潤んでいく目。少し開く唇…



『や…だ…』



こんな近い距離なのに、聞き取れないくらい小さなかすれた声で、でも…花梨ちゃんは俺から目を逸らさないでそう言ったんだ…