『花梨ちゃん。まさかと思うけど…純を誰かと見間違えただけじゃない?』



『へ?』


母さんの言葉に素っ頓狂な声を花梨ちゃんは出した。


『まあ、無理もないわよね。この子昔の面影ほとんどないから…』



誰のせいだっ!と怒鳴りたいけど、花梨ちゃんがいたからぐっと抑える。



「花梨ちゃん!約束果たしに戻って来たよ。結婚しよう。」



これでどうだ!?思い出してくれた?




そう思って言ったのに…



『あ、あなた誰よ!?』



花梨ちゃんの答えに、目の前が暗くなった。
まさか、忘れちゃったの?あの時の約束を覚えてたのは…俺だけ…?



表面には決して見せなかったけれど、相当凹んでいた。