いや…待って…知らない男の人って…
俺の部屋に俺がいて、それはおかしいだろう?



俺は、上に適当に服を羽織って下へと降りていく。




降りて行った俺を確認した母さんが話し掛けて来た。花梨ちゃんはそんな母さんの後ろにすっぽりと隠れて見えなくなっている。



『ねぇ。誰かお友達きてるの?花梨ちゃんが、知らない男の人がいるって言ってるけど…』



知らない人って…花梨ちゃん、そりゃないよ。



「いや。誰も来てないよ?だって引っ越したばかりで俺、まだここに友達いないし。」



母さんの後ろから俺を見てくる花梨ちゃんの顔は、駅で見せた表情と一緒で、ますますわからなくなる。