今度は俺から目を逸らす事なく見てくれる花梨ちゃん。



やっと、思い出してくれたんだ!



そう思うと嬉しくて…



俺は、まだ上に何も来ていないのに、花梨ちゃんへと近寄って行ってしまった。


「花梨ちゃん!!」



俺が近づくと途端に強張る花梨ちゃんの表情。



『き…』



「?花梨ちゃん?」




『キャーーっっっ!!!』


キーーンと耳鳴りがした。

そしてバタンっと思い切り閉められたドア。激しく下へ駆け降りる足音…



何事だ!?と俺はドアを開けて追いかけようとした。

『花梨ちゃん!?どうかした??』


『な、直子さん!!アリサちゃんの部屋にっ。し、知らない男の人がッ』



『え!?変ね。あの子ひとりで帰って来たはずだけど…』



下から聞こえる花梨ちゃんと母さんの話し声。