気がつくと、人通りの多い街の中心部まで歩いてきていた。

いつの間にこんなところまで。

そう思いながら振り返ると、少し後ろの方で花音ちゃんが和音くんの手を引きながら、ジェラートを持って歩く女の子たちを見ていた。


……そうよね。

こんなに暑い日に冷たいデザートが欲しくなるのは当然。

それに、せっかくかわいいお店の並んでいる通りを歩いているのだから、色んなところを回ってみたいに決まっている。

少し辺りを見渡せば、拓斗くんは反対側の通りにある古い楽器店の前に置かれたワゴンの前で大きな目を輝かせながら商品を眺めていた。

あの店には結構掘り出し物のレコードやCDがある。

音楽好きには堪らないでしょうね。


……それなのに、私ったら。

この子たちも一緒にいるのに、自分のことばかり考えて。……反省。



「花音ちゃん、アイス食べる?」

苦笑しながら花音ちゃんと和音くんのところへ戻ると、花音ちゃんが私を見上げて愛らしくはにかんだ。