あのときのように、私もこの子たちをしっかり導いてあげないといけないんだわ。

しっかりしなくちゃ。

私、先生なんだから。

頼りになる存在にならなきゃ。


花音ちゃんには和音くんと手を繋いでもらい、拓斗くんにはしっかりついてくるように指導。

良い子な彼らはちゃんと私の言うことを聞いて、真剣な顔で後ろをついてきた。

そうしてやっとホームへ上がると、今度はホームの様子が珍しいらしく、忙しなく辺りを見回していた。

電車に乗ってからもそれは変わらず。

お坊ちゃまたちを立たせるわけにはいかないと、ぐいぐい人を押しのけて確保したシートに4人並んで座ると、見るものすべてが珍しい花音ちゃんや拓斗くんは次々とお兄ちゃんの和音くんに質問を浴びせた。

それにいちいち真面目に答えるお兄ちゃんがおかしくておかしくて。

笑いが止まらなくなってしまった。


そんな風に過ごしているうちに、いつの間にか煩いほどに鳴っていた心臓が落ち着いていて。

やっぱりこの子たちについてきてもらえて良かったと、心の中で感謝の言葉を呟いた。