今後の指導のヒントになるかも、と借りたものだったけれど。

知っている子たちの小さな頃の姿を見るのって、なかなか面白い。

ドレス姿の小さな花音ちゃんも、ネクタイ姿が初々しい拓斗くんや和音くんも、一生懸命に弾いているのが微笑ましかった。

技術は……拓斗くんも花音ちゃんも、上手だねって頭を撫でてあげたい感じ。

2人とも真剣にやり始めたのはこの1、2年だって言ってたっけ。

でも和音くんは本当に小さな頃から別格だった。

光る原石がゴロゴロと転がる中で、彼の演奏は磨き上げられたダイヤモンドみたい。

さすが天才ヴァイオリニストが一番目にかけている子だ。

……ああ、更にプレッシャーが圧し掛かってきたかも。

もう観るのはやめようかしら、と思ったところで、ぷつりと映像が切り替わる。

見覚えのある広いイングリッシュガーデン。

そこで走り回る元気な子どもたちの姿が映し出された。

ぷくぷくの頬を赤く染めて元気よく笑う拓斗くんと花音ちゃんだ。

何歳くらいだろう。

小学校入学前くらい?

本当に小さな2人。