起き上がった私の目に映るのは、荒れ放題の部屋。

脱ぎ散らかした服も洗濯したものも混ぜこぜになって部屋中に散らかり、授業に使う教科書も本も、床に投げっぱなし。

空になったコンビニのお弁当やジュースのペットボトルも、白い袋に入ったままいくつも転がっていた。

ベッドから落とした足が、床に転がっている大量のビール缶とワインのボトルたちを蹴飛ばした。

カラカラカラ、と。

乾いた音が部屋に響く。


──何をしているのだろう。


深いため息をついて、頭痛の激しい頭に手をやった。



子どもが出来た彼は、責任を取って私の知らない女性と結婚する。


ああ、仕方ない。

だって私が振ったのだから。

私に婚約者が出来るから、身辺整理をしろと父に言われて。

その通りに言うことを聞いて、別れてくださいと言ったのは私なのだから。


──期待していた。


それなら、僕と一緒に逃げようと。

そう、言ってくれるのを期待していた。


私は馬鹿だ。