たどたどしい私のレッスンを真剣に受けてくれる花音ちゃん、そして拓斗くんとは少し打ち解けられたかしら、と嬉しくなっているところに、一番の難関がやってきた。
長男の和音くん。
本当に私が先生でいいのかしら、というくらい、完成された演奏をする子。
どう教えたら良いのかなんて皆目検討もつかない。
絶対に律花さんが直接指導した方が良いと思うのだけれど……。
「宜しくお願いします」
静かに頭を下げる和音くんは、拓斗くんと同じく礼儀正しいのだけれども。
なんというか……雰囲気がまるで違う。
拓斗くんはお日様みたいにぽかぽかしているのだけれど。
和音くんはひっそりと空に浮かぶ月みたい。
触れるのも、見るのも躊躇うくらいに、怜悧で静謐な空気を放っている。
とりあえず一通り『ラ・カンパネラ』と弾いてもらったけれど、もう練習しなくてもいいのではないかというくらい完成されている。
でもなんだか……。
和音くんは不満顔に見えた。
長男の和音くん。
本当に私が先生でいいのかしら、というくらい、完成された演奏をする子。
どう教えたら良いのかなんて皆目検討もつかない。
絶対に律花さんが直接指導した方が良いと思うのだけれど……。
「宜しくお願いします」
静かに頭を下げる和音くんは、拓斗くんと同じく礼儀正しいのだけれども。
なんというか……雰囲気がまるで違う。
拓斗くんはお日様みたいにぽかぽかしているのだけれど。
和音くんはひっそりと空に浮かぶ月みたい。
触れるのも、見るのも躊躇うくらいに、怜悧で静謐な空気を放っている。
とりあえず一通り『ラ・カンパネラ』と弾いてもらったけれど、もう練習しなくてもいいのではないかというくらい完成されている。
でもなんだか……。
和音くんは不満顔に見えた。