レッスンの後に和音くんにクリスマスの予定を確認したら、空いているということだったので。

驚かせるために、クリスマスパーティだということは伏せて、25日の約束を取り付けた。

そうして気合を入れてご馳走作りの練習を始めたのだけれど。

案の定、一人ではまったくうまくいかないものだから、助っ人を呼んだ。



「うわ、なにこれ、別の部屋になってる!」

久々に我が家にやってきたアキちゃんは、驚いて目を丸くした。

「うふふ、綺麗になったでしょう? 私もあれで懲りましたからね。いつ誰が来てもいいようにちゃんとお掃除するようになったのよ」

「ふーん、エライじゃない。やっぱ橘のお坊ちゃんにあれだけの醜態晒したらね、変わるしかないよね」

「う、うう、そう……そう、なのよ。変わるのよ。やれば出来るんだから、私」

「それで、やれば出来る水琴さんは、何を作りたいんですか」

「これよ、これ!」

私はキッチンカウンターに置いていた雑誌を広げ、アキちゃんに見せた。