「そっかぁ……。そのうち頭を撫でることも出来なくなっちゃうわね。和音くん、奏一郎さん似だから、もっと伸びそうだもの。なんだか寂しいわ」

律花さんから彼らが小さい頃の姿を記録したDVDを借りていたせいもあって、和音くんのことを昔から知っている子のような気がしていた私は。

いつの間にか成長してしまった子を見守る母……いえ、隣の家のお姉さんにでもなったような。

そんな感慨深さと寂しさを感じた。

すると和音くんは、頭を撫でている私の手を優しく掴み、そっと外した。

「……それでいいんですよ」

ふっ、と。

和音くんは笑う。

「それでいいんです」

私の手を握り締める……というよりは、そっと触れるくらいの優しさで包み込んで目を細める彼は、いつもより大人びて見えて。

少しだけ、ドキリとした。