──言っちゃった。

心臓が壊れそうなくらい鳴り響く。

なのに全身は冷たくなっていくばかりだ。


繋がりを絶つ。

一度繋がったものを自分で絶ち切るのは、なんて勇気がいるんだろう。


『……そっか』

少しだけ沈黙が訪れた後、勇人さんからは短くそう返った。

『そうだよね。君は一条グループとの付き合いもあるし。昔の男といつまでも繋がっていたら、マスコミにも叩かれ兼ねないものな』

「そ、そうじゃ、ないけど……」

『友人としてこれからも……なんて、虫の良すぎる話か』

出来るならそうしたい、けれど。

「私は……私は、無理。貴方と友人として付き合うのは、無理」

『うん』

「私はそんなに器用じゃない」

『そうだったね。ごめん。あの日は……お別れに来てくれたんだね』

静かな声でそう言ってくれる勇人さんは、以前と変わらず、優しいままで。

また甘えたくなるから。

やっぱり駄目なんだ。