和音くんたちのコンクール本選。
先に行われた小学5・6年生のD部門に出場した花音ちゃんの出来は最高だった。
練習のときよりも堂々と、楽しそうに弾く彼女の姿はどの子よりも愛らしい。
「ブラボオォォオオッ!」
演奏終了と同時に盛大に鳴る拍手の中に、一際大きな声が響き渡った。
本選は見に来ると言っていた3兄弟の父、奏一郎さんだ。
歓喜のあまり立ち上がり、涙を流しながら拍手をしている。
周りにいる他の親御さんたちに生温かい視線を向けられて、隣に座っていた律花さんが慌てたように奏一郎さんのスーツの裾を引っ張った。
「奏一郎さん……恥ずかしいから泣くのは家に帰ってからにしてちょうだい」
「何を言ってるんだい律花さん! この感動を今爆発させなかったら家に帰るまでに僕の胸は張り裂けてしまうよ! ああ、世界一かわいい僕の花音! 本当に良い演奏だった! これも水琴先生のおかげだね、ありがとう先生!」
キラキラ輝く笑顔で私の方を向く奏一郎さん。
周りの視線も一気に私へ向いて、縮こまりながら曖昧な笑みを浮かべた。
先に行われた小学5・6年生のD部門に出場した花音ちゃんの出来は最高だった。
練習のときよりも堂々と、楽しそうに弾く彼女の姿はどの子よりも愛らしい。
「ブラボオォォオオッ!」
演奏終了と同時に盛大に鳴る拍手の中に、一際大きな声が響き渡った。
本選は見に来ると言っていた3兄弟の父、奏一郎さんだ。
歓喜のあまり立ち上がり、涙を流しながら拍手をしている。
周りにいる他の親御さんたちに生温かい視線を向けられて、隣に座っていた律花さんが慌てたように奏一郎さんのスーツの裾を引っ張った。
「奏一郎さん……恥ずかしいから泣くのは家に帰ってからにしてちょうだい」
「何を言ってるんだい律花さん! この感動を今爆発させなかったら家に帰るまでに僕の胸は張り裂けてしまうよ! ああ、世界一かわいい僕の花音! 本当に良い演奏だった! これも水琴先生のおかげだね、ありがとう先生!」
キラキラ輝く笑顔で私の方を向く奏一郎さん。
周りの視線も一気に私へ向いて、縮こまりながら曖昧な笑みを浮かべた。