「月宮君? 着いたわよ。それじゃあ……少しここで待っていてくれる? 呼んだら入ってきてね」 というと、彼女は俺の返事を聞かずに教室の中へと入っていった。 いつの間にか、教室の前まで来ていたらしい。 “一年一組” 第二教棟四階の一番端。 そこが俺のクラスらしい。 校門からかなり距離があるから、遅刻したときは大変そう。 騒がしかった教室内が静まり、何を話しているかは聞き取れないが、担任の声が聞こえる。