「そ……それって……本当に?」

「はい!!」

 宮下先生の、震える声に、柴田は、元気良く答えた。

 まるで、授業で指名されて答える時みたいに。

 ……柴田も、すごく緊張しているのが、よくわかる。

 そして、宮下先生の方も。

 いつもの流暢な宮下節はどこへやら。

 しどろもどろに叫んだ。 

「……実は……僕も……柴田のことが……前から気になってて……!
 でも、君は生徒だし……
 もう、あきらめようと思っていた所だったんだ……!!」



「ほ、本当ですか!」


 どん、がらがっしゃん!


 今度は、誰かが、置いてあった金属バケツを蹴ってしまったらしい。


 なんだか、ロマンチックな告白っていうよりは、コメディみたいだけど。


 でも。



 柴田の思い、ちゃんと受け止めてくれたんだね。




 ……宮下先生は。




 …………いいなぁ。