わたしが、しっかり否定して、このおばさん……

 ……いや刑事さんを納得させることが出来れば。

 紫音は、だいぶ楽になるはずだった。

 緊張しているわたしに。

 成瀬さんは、にっこり笑った。

「まず、最初に言っておくけど。
 私は、あなたの味方よ?
 あなたの言った事は、村崎先生に伝わる事はないの。
 これからは、絶対に怖い目に会わさないので、あったことを、正直に話してね?」

「はい……」

「誤解がないように、直球で聞くけれど。
 守屋さんは、村崎先生にカラダを触られたり、服の上からでも、抱きしめられたことがある?」

「えっと……」

 本当は、はい、だけど素直に言ったらまずいのかな……?

 口ごもっていると、成瀬さんは、あっさり質問を変えた。

「村崎先生から、お金や品物ををもらった事はあるわよね?」

「はい……」

 ……百万円もらった事は、バレている。

「その時に、村崎先生から、いやらしいことを強要されたり……
 変な薬を飲まされたりしなかった?」

「……されてません!」

 思わず叫んだ、わたしの声に。

 成瀬刑事さんは、目を丸くした。