見た目は、四十くらいの女のヒトだ。
そこらをフツーに。
買い物袋を持って歩いているおばさんと、あまり変わらない。
いや。
にっこり笑うと、かえって、かわいい感じもする……
………刑事さんが、分厚いファイル片手に病室へ、入って来た。
「こんにちは。
守屋 春陽さん。
私は、生活安全課の刑事で成瀬和子(なるせ かずこ)っていいます。
体の方は、もう大丈夫かな?
あなたの学校の村崎先生について聞きたいことがあるんだけど……今、いいかな?」
「……はい」
薫ちゃんに教えてもらった。
わたしが、今。
紫音のために出来るコト。
それは、目の前にいるおばさんと話をして、紫音が、何も悪くないコトを納得してもらうコトだった。
今回問われている罪の『買春』では。
紫音が、わたし以外の他の女性を『買った』事実はない。
また、強制わいせつ罪は。
申告罪ってヤツで「被害者」から届け出がないと本来は、罪に問えないらしい。
今は『買春』の事と絡んで、父さんを中心に騒いでいるのが実状だから……