今までに、自分の胸が、こんな風になるのを感じた事は無くて。
大好きな加藤先輩を見ていても……なかった……のに。
これを。
なんて、表現したらいいんだろう……
……セツナイ。
そう。
この胸のもやもやは……切ない……んだ。
……なんで……?
……わたしの好きなのは……加藤先輩なのに……
「こんなところで、何をしているんだ?
仕事が終わった。
……帰るぞ」
「……あ」
切ない胸を。
自分の両手で抱えて立ち尽くしているわたしに、声をかけたのは。
……紫音だった。
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