……どきん


 カラダが、手首を中心に、熱くなる。


 紫音に抱きしめられたときみたいに。


 ううん。



 もっと、もっと。

 カラダが疼いて、アツくなる……



 ………手首だけで、こんなに気持ちいいなら……


 他のところを触られたら………


 もっと……

 もっと、気持ちがいいのかな……?


「ねぇ~~柴田~~~」

「ナニよっ!」

「わたしとぉ~~
 ……キス、とかしてみない?」

「はあ?」

「初めて、は、紫音じゃなくてぇ~~
 柴田にあげちゃおうかなぁ~~?」

「ちょっと、春陽!
 大丈夫!?
 ナニを莫迦なコト………」

 わたしの手首をつかんで。

 電灯のついた階段まで引っ張って来た柴田は。

 振り返って、わたしの顔を見たとたん……息を呑んだ。



「春陽………!
 あんたナニしたの!!!」

「………へ?」

「春陽の目………!
 紫音みたいな……ううん、もっと濃い紫色に見えるわよ………!!!」