「ここ……屋上だから。
 ……しかも。
 普段生徒は、立ち入り禁止になっている……
 ……社会科準備室前の階段を上ったところの。
 ……屋上、だよ!?」


 えっええええええっ!!!!

 言われて辺りをよく見れば。

 ……確かに。

 ここは、加藤先輩に襲われたコトのある………あの屋上だった。

「あれれ?
 さっきまで裏庭にいたのに……
 わたしったら、いつから、瞬間移動出来るようになっちゃったんだろ~~?」

「瞬間移動って……まったく……!
 そんなコト出来るワケ無いでしょう!
 あたし、ここの階段を上ってく春陽見て、追いかけてきたのよ!
 春陽、大丈夫?
 ほら、一緒に教室に帰るわよ!」

 そう、言って、柴田が、わたしの手首を掴んだ、その時だった。




「………うぁ………っ……」

 な、ナニ、これ………!

 わたしのカラダの全感覚が。

 柴田に掴まれた、手首に集中したような感じがした。

 ヒトの体温に、触れる、ってコトが……



 ……こんなに気持ちいいなんて……





 ………知らなかった。