「……春陽……?」


 やだ~~、誰かと思ったら、柴田じゃない。

 ま。


 わたしと柴田だけか。

 こんな学校の中でも人気の無いこの裏庭に、来るのは。


「なぁにぃ~~?」

「なぁにぃーじゃないわよ!
 四時間目をサボって、どっかに行ったかと思っていたら、こんな所にいて!!
 ずいぶん探したのよ!!

 知ってる!?
 もう昼休み、終わりよ!?
 お昼ご飯、ちゃんと食べたんでしょうね!?」

 柴田のけんまくに。

 わたしは、目をぱちぱちした。

「あれ~~
 もうそんな時間なんだ~~?
 知らなかったよ~~
 お昼は、食べ損なったけど、お腹すいてないからいいや~~」

「春陽……なんか、足、ふらふらしてない?
 階段降りて、教室に戻れる?」

「階段~~?
 きゃはははは☆
 裏庭に下り階段なんてあったら、わたしの教室、地下のヒミツ基地だねっ~~☆
 柴田ったらウケる~~」

 柴田の冗談に、笑ってあげたのに。

 柴田の目が、険しくなった。

 え~~

 なんで~~?

 コワい顔なんて、わたし、き・ら・い♪

「……ここ、裏庭じゃないから」

 ……へ?