休み時間の終わりを知らせるチャイムが鳴って。

 先輩が教室に帰っても。


 わたしは、まだ、裏庭にいた。

 この時間は、自習だって判っていたから。

 サボるつもりでいたんだ。


 ……アレックスを持った、まま……

 それと。

 俺、中身しか興味ないから、やるよって。

 加藤先輩から貰った、紫音の雫の首飾り、も。

 どっちも、先生に見つかったら大騒ぎになるけど……

 首飾りの方は、大丈夫……かな?

 最悪、見つかって没収されても、あきらクンに言っておけば、とりあえず、紫音へは返っていきそうだ。

 わたしは、ちょっと笑って、紫音の首飾りを服の下に下げた。

「……冷た……っ」

 キレイな銀色の金属片が。

 わたしの肌を刺激する……

 ふふふ。

 資料室で、わたしを抱きしめた、紫音の手みたいだ。






 ……そして。


 もう一つ……

 紫音の、時間が来るとぱたっと寝ちゃう原因で。

 昨日の騒ぎの元で。

 なによりも。

 紫音がもつ、危険な瞳の理由(ワケ)の………



 ……アレクサンド・ライト……