こんな俺なんぞのために、莫迦なヤツ……!

 これじゃ……俺は……!

 全部終わっても、自殺することだって、出来ないじゃないか!

 そう、吼えるように叫んで涙を流す薫ちゃんを見ながら……




 ………わたしも、両手を強く握ってた。





 薫ちゃんのため、だけじゃない。






 紫音は。






 それだけ深く……深く……





 ……由香里さんのコトを…………







 …………愛していたんだ。





 自分を堕とした『兄』を許すだけじゃない。





 その将来を心配してしまうほどに………!






 わたし……




 本当に……………




 ……そんな由香里さんの代わりが………出来るのかな……………?





 ……自信ない…………




 ……本当に、自信がないよ……………