「一回だったらまだしも。
 普通は二、三回も飲めば、強い依存性を持っ薬だった……!
 なのに、コイツは……!
 俺と会う度に、何度も、何度も飲んでいたのに……
 ……いつも、限界ぎりぎりまで薬を買っていったのに……
 由香里が死んで、心が折れた、その日まで……
 ……結局、中毒症状を表す、紫色の瞳を持つコトは、無かった。
 買った薬は捨てていたんだ。
 信じられねぇほど強い心で。
 ずっと、ずっと薬の誘惑と戦っていたんだ……!!!」



「……え……?
 紫……色の……瞳……?」






 ……紫音の……





 闇に輝く。






 あの、不思議で。





 キレイな、瞳の正体は……!





「ああ。
 薬の中毒症状だ。
 ……俺が、紫音に選んだ薬は……
 アレクサンド・ライトっていう……
 同じ名前の宝石が、太陽光と人工光で、違う色の輝きを持つように。
 アレックス、とも言うこの薬で、中毒を起こすと……
 電灯の光で、瞳が紫色に見えるんだ……」




 ……なんて………コト……!!




 薫ちゃんの話に、わたしは、愕然となった。