『……紫音は、今、ケイレン発作を起こしてる』


「……え?」



 どきん。





 わたしの心臓が、大きく脈打った。

 なんとか、説明を終えたあと。

 薫ちゃんの声の真剣さに。

 わたしの心臓がはね上がった。

「ケイレン発作……?
 ケイレンって何!?」

『見た目は派手だけど、今すぐには死なないって事だ。
 春陽は落ち着いてくれ』

「で、でも!
 紫音は、こんなに苦しそうだよ!?」

『大丈夫だ』

 わたしの質問を受け流して、薫ちゃんが、やけに冷静な声を出した。

『それよりも、春陽に見て欲しい事がある。
 紫音の首飾りだ。
 雫の形のペンダント・ヘッドのついたヤツ』



「……は?」




 思いもかけない質問に、わたしは、一瞬言葉を詰まらせた。

「ペンダントってナニ……!
 今、それどころじゃなくて!」

『……中に薬が入っているハズだ。
 その数を教えてくれ』




「……え?」




 雫の形の首飾りは、いつも。

 紫音が村崎先生でいる時だって、こっそり、つけているヤツだ。





 ……その中に、薬が入っていたなんて……!





 だけども。