送信ボックスの方だって。

 特に。

 みて、面白いモノは、何もない。





 仮にも、わたしに簡単に渡す携帯だもの。

 もしかしたら、コレは、ホスト用じゃないかもしれなかった。

 ヒトによっては、いくつもの携帯電話を使い分けているっていうし……

 なんとなく、がっかりしたけど。

 心はだいぶラクだった。

 やっぱり、携帯を見るってコトは、悪いコトだし。

 たくさんの知らない女のヒトからのメールを見たら……




 わぁ、紫音ってモテるのね、なんて笑えないかもしれない。


 きっと、不安で悲しい、と思う。


 すごく、自分勝手な話だけど……。



 これで、良かったのかもしれない。




 わたしは、ついでにアドレス帳を開いた。



 今度は、何も期待せずに。



 本当は。




 ここで閉じてしまえば良かったのに。