加藤先輩は、にやにやと笑う。

「街一番のホストのテクだけじゃ飽きたらず、オヤジ相手にウリか?
 それとも紫音のセックスは下手くそなのか?
 まあ、中身が、あの村崎じゃあ、な」

 言いながら、加藤先輩は、わたしを無理やり抱き寄せた。

「ヤるのがそんなに好きならさぁ。
 俺ともヤって、どっちが上手いか教えてくれよ?」

「やめて……!」

 抵抗するわたしを、加藤先輩は、力任せに押さえ込む。

「大丈夫。
 こんな莫迦騒ぎにも眠りこけてやがるんだ。
 例えここでヤっても、あんたの喘ぎ声ぐらいじゃ、村崎の目は覚めねぇよ」

「いや……!」

 暴れるわたしにせせら笑って。

 加藤先輩は、キスを迫る。

「いや、いやよ!
 紫音!
 紫………!」

 だけど。

 わたしの唇と。

 加藤先輩の唇が無理やり、繋がれようとした、寸前。





 いきなり、加藤先輩が消えた。