言って、加藤先輩は、きょろきょろと、辺りを見回した。

「ん、で。
 そのエラいカリスマさんは、今ドコよ?
 さっき、副オーナーっつう、でかい、おかまに言われたんだ。
 紫音が、ここで休憩しているってな。
 さすがに、昨日来れなかったわびも入れたくて。
 今は、入るなってのをカワして、無理やりここへ乗り込んだんだ……っておい!」

 加藤先輩は、すぐに。

 眠る紫音を見つけて、目を丸くした。

「……コイツは……村崎、か?
 かなり、デコって(着飾って)いるけど。
 ……ウチのガッコの……日本史の……村崎……だよな?」


 こんなヒトに。



 こんなヒトに。


 先生の秘密を知られたくは無かったけれど。


 隠しようも無い、確認の言葉に、わたしは、無理に声を押し出した。


「………そうよ」


 わたしの言葉に、加藤先輩は、もう一度目を見開いたかと思うと。

 すべてを理解して。



 はじけたように、爆笑した。