「悪い。
 今日は、薬を飲んで来て無いはずなんだが……」

 首を振る紫音のために、わたしはソファ・ベッドを整えた。

「大丈夫?
 疲れ過ぎ……なんじゃない?」

「……守屋と一緒にいるから、安心したのかも知れないな。
 あんたといると、すごく心が休まるんだ」

「え……そ、そう?」

 紫音が片目を瞑ると、わたしの顔が、ぼんっと赤くなった。

 それを見て、紫音は、また笑う。

「ひど……紫音っ!
 また。
 わたしをからかって、遊んでいるでしょう……!」

 わはははは、と声を出して笑う紫音の胸をぽかぽか叩くと、紫音は、ひょい、とわたしの両腕を片手でつかんだ。

「……本気、だよ」

 紫音は、もう一つの手で、わたしの腰を抱くと。

 そのまま一緒に、ソファ・ベッドに寝転んだ。

 唇が、触れんばかりに近づいた、紫音が、囁く。

「本当に……心が……楽……」

「……紫音……」

「………」

「紫音?」

 呼んでも返事がない。

 良く、見ればもう。

 とっくに。

「ぐーー」


「……寝ちゃったんですか」





 しょうがないなぁ。